03-6826-6000受付時間9:00~18:00〔平日〕

会社譲渡(株式譲渡)をご検討の方へ

会社譲渡(株式譲渡)は、中小企業のM&Aで最も多く用いられる手法です。経営者様が引退を考えた際に、親族や役員・社員に託すことが難しい場合、会社を第三者に託すという選択肢をとるケースが増加しています。会社譲渡(株式譲渡)が有効なケースやそのリスクなど、専門家の視点から詳しくご説明します。

目次

会社譲渡とは

会社譲渡とは主に「株式譲渡」 のことを言い、譲渡企業の株主が保有株式を第三者に譲渡することによって会社の経営権を譲受企業に譲り渡すことを意味します。

株式譲渡では、株主が代わるだけで会社名や会社が保有する債権債務、取引先との契約関係、許認可権などの資産はそのまま引き継がれますので、対外的には目に見える大きな変化はありません。異動する株式の割合によって譲受した株主の権利が異なってきますが、中小企業のM&Aの場合、株式の100%を譲渡して経営権を丸ごと移すケースが大半です。

簡単な手続きでスムーズに経営権を移動できることから、中小企業に適したM&Aの手法といえます。

経営者様にとっては、会社譲渡(株式譲渡)によって 「後継者問題への対策」や、「企業体質の強化」「創業者利益の確保」といったメリットが期待できます。

M&A概要

会社譲渡、株式譲渡の概要

仕上がり

会社譲渡、株式譲渡の仕上がり

%は議決権比率

会社譲渡(株式譲渡)をするとどうなるのか

M&Aによって会社譲渡をすると、経営者様や従業員の処遇等はどのようになるのでしょうか。経営者の処遇、従業員の処遇、取引先との関係、借入の経営者保証の4つのポイントからご説明します。

経営者の処遇

会社譲渡(株式譲渡)をすると、経営権が現在の経営者から譲受企業へ移ります。

両社の協議によりますが、譲渡が完了したあと譲渡側の経営者様は、下記いずれかのケースが多いです。

譲渡完了とともにそのまま退任する 代表権のない相談役や顧問といった形で一定期間会社にとどまり、引継ぎが完了した際に退任する

他には、大手企業の子会社もしくは事業部門となった場合、代表者や部門代表者の地位にとどまり、譲受企業の経営環境のなかでさらなる事業の拡大を目指すといったケースもあります。

譲渡側と譲受側の交渉のなかで双方の希望をすり合わせながら処遇を決めることとなります。

従業員の処遇

会社(株式)を譲渡し新しい経営者に引き継がれた場合、従業員は全員引き継がれ、処遇も当面の間は従来通りというケースが一般的です。特に中堅・中小企業において、事業の核となる技術やノウハウといったものは、それまで事業に携わってきた従業員に直結しています。

従業員の士気を落とさないような形で会社を引き継ぐことは、譲渡後も安定した経営を行うための非常に重要な要素ですので、すぐに大幅な人員削減をしたり雇用条件を悪化させたりというケースは滅多にありません。

譲受候補先を探す段階で、譲渡後の従業員の雇用について明確な条件を設けておくことも可能です。

経営者、従業員の双方にとって良い形で譲渡を成立できるよう、コンサルタントが仲立ちしながら条件交渉を進めることとなります。

当社にご相談いただく経営者様の多くが、譲渡にあたって従業員の処遇がどうなるのかを最も気にされます。経営者様に後顧の憂いなく会社を譲渡いただけるよう、ご心情に寄り添い、ご希望を伺いなから譲渡を進めてまいります

取引先との関係

従業員と同様、取引先との信頼関係も譲渡企業の貴重な財産です。

経営者が変わることによって取引先に不安を感じさせることがないよう、譲受企業側でも急激な事業環境の変化を起こさないようにすることが一般的です。

重要な取引先が会社譲渡後も取引を継続してくれるのかどうかは、譲受企業側にとって非常に重要ポイントです。

譲渡によって優良取引先との取引が終了するようなことがあれば譲渡企業の価値は半減してしまいますので、優良取引先の動向は、M&Aの成否を大きく左右する点でもあります。

そのため、重要な取引先に対しては譲渡手続きが完了次第、新旧の経営者が一緒に説明に赴いたり、取引継続のメリットを具体的に提示するなど、取引先の不安を解消するような配慮も必要です。

借入の経営者保証

第三者への会社譲渡に伴って経営権が移動する場合、経営者様の個人保証や個人資産の担保提供は解除されるのが一般的です。

ただ、会社の譲渡によって連帯保証や担保の提供が自動的に譲渡先に切り替わるということではなく、連帯保証人の地位から外れ、担保提供を解除する手続きを取る必要があります。

そのため、早い段階から連帯保証と担保の差し入れ解除を金融機関と交渉し、譲受企業に引き受けてもらうことになります。

なかには「株式の一部を譲渡する場合」、「引継ぎが極めて難しい業界で前経営者の全面的な支援が必要な場合」など交渉により解除されないケースも稀にありまが、譲渡契約書にも「買い手が売主の連帯保証と担保の差し入れの解除に責任を持つ」旨の条項を入れることが一般的です。

経営者様が第二の人生を歩まれるにあたり。経営者保証が残ってしまうと経済的にも心理的にも大きな負担となります。心置きなく第二の人生を歩んでいただけるよう、コンサルタントが経営者様に寄り添いサポートさせていただきます。

会社譲渡(株式譲渡)が有効なケース

会社譲渡(株式譲渡)は、後継者問題の解決、会社の存族と更なる発展、雇用の維持と継続、創業者利益の獲得など、経営者様の様々なお悩みに有効です。それぞれの項目について詳しく説明します。

後継者問題の解決

会社を引き継ぐ後継者がいない場合、会社の譲渡は非常に有効な選択肢となります。清算や廃業という選択もありますが、その場合は従業員は職を失い、長年の取引先に迷惑をかけることにもなるため、経営者様にとっては非常に厳しい決断となります。

また、清算や廃業にあたっては資産を個々に売却することになるため、会社・事業全体としての価値は評価されません。資産よりも負債の方が多く残る場合は、廃業後も返済を続ける必要があります。

会社の譲渡により、こういった後継者の不在にまつわる問題を解決することができます

会社の存続と更なる発展

企業の経営環境が厳しさを増すなか、特に経営資源に限りのある中堅・中小企業が単独で成長と発展を続けていくことは容易ではありません。上場企業や大手企業など経営資源の豊富な企業のグループに加わったり、シナジー効果の見込める企業と連携することによって、資金調達や技術開発、販路開拓、人材の確保など、存続と発展に向けた事業基盤を整えることができます

雇用の維持と継続

会社の譲渡によって志を同じくする新たな経営者に会社を託すことで、経営者様と苦楽をともにしてきた社員は引き続き業務に従事していくことができます。

特に中堅・中小企業においては、従業員の実力が企業の魅力に直結していることが多く、引き継ぎ後も従業員の処遇が守られることが多いです

会社譲渡によって事業基盤を整えることでキャリア開発の機会が増加し、従業員の士気の向上に繋がるケースもあります。

創業者利益の獲得

苦労して会社を立ち上げ、現在まで継続・発展させてきた経営者様に対する報酬として、創業者利益を獲得することができます。

創業者利益の獲得というと「新規株式公開(IPO)」を思い浮かべる方も多いですが、上場メリットの減少や上場にかかるコストの増大などで、株式公開による創業者利益の獲得の魅力は限定的となってきました。このような状況の中、特に中堅・中小企業の経営者様にとって、「会社譲渡による創業者利益の獲得」は有効な方法として定着しつつあります

このように、会社譲渡(株式譲渡)は経営者様が抱える様々なお悩みの解決策となり得ます。しかしながら譲渡の実現は相手があってのことなので、実際には全ての希望を叶えることは難しいケースも多く、譲受企業の選定や交渉にあたっては希望する内容に優先順位をつけることが重要です

優先順位を検討するにあたっては、経営者様のご意向はもちろんのこと、譲受企業の希望、経営環境、業界の動向など、様々な要素が影響します。状況によっては当初の優先順位を見直した方が良い局面もあり、そういった判断にあたっても、経験と知見を有するコンサルタントが経営者様と一緒になって最善の方法を検討して参ります。

会社譲渡(株式譲渡)で考えられるリスク

会社譲渡(株式譲渡)は、後継者の不在や創業者利益の獲得など経営者様にとって重要な課題を解決する方法である一方、いくつかのリスクも存在します。 どのようなリスクがあるのか、経営者様自身が事前に理解しておくことが大切です。

時間と費用

会社譲渡を進めるためには、経営者としての職務と平行して譲受先の検討や資料の用意、トップ面談や条件交渉をなどを行う必要があるため、多くの手間と労力が必要です。

希望通りの候補先が見つからない

業種や統合後の経営方針など、希望に叶う譲受候補先が必ず見つかるとは限りません。

候補先の選定が長引く場合は、時間的な猶予やその他の状況を総合的に勘案し、譲渡実現のため希望条件の一部を諦めるといった決断も必要となります。

候補先との交渉がうまくいかない

価格や受入条件など、候補先との交渉において双方の希望が相容れないこともあります。この場合も、譲受実現のため希望条件を一部諦めるか、もしくはもう一度新たな候補先を探すかといった選択を迫られることとなります。

成立前に交渉が破談してしまった

条件交渉やデュー・デリジェンスなど多くの時間を費やして最終契約の交渉へ進んでも、経営環境の変化や外部要因によって、譲渡成立を目前に交渉が破談してしまうことがあります。

会社譲渡の意向が第三者へ漏れてしまった

まだ候補先への打診や交渉途中の段階で、従業員や取引先に会社の譲渡について万が一漏れてしまった場合、会社の先行きや経営者様への不信感を招き事業に悪影響を与える可能性があります。

希望する条件で会社譲渡(株式譲渡)を成立させるためには、このような様々なリスクを可能な限り抑えていくことが重要です。

会社譲渡(株式譲渡)の金額の考え方

M&Aによる会社の譲渡を検討するにあたり、自社の売却価格をどのように決めるのかは経営者様にとって最も重要なポイントです。
一般的に中小企業の会社譲渡においては、下記の様な流れで価格が決定します。

  1. 理論的な企業価値算定を参考として経営者様の意向を踏まえた譲渡希望価格を設定
  2. 譲受企業との相対交渉による価格調整
  3. 双方合意の売却価格を決定する

代表的な企業価値算定方法

売却価格の基準となる企業価値の算定方法には、大きく3つの考え方があります。

それぞれコストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチと言い、どれか1つの方法を決めて実行するのではなくいくつかの方法を併用することで、合理的な売却価格の幅がどのくらいなのかをイメージするのに利用します。

マーケットアプローチ・インカムアプローチ・コストアプローチ マーケットアプローチ・インカムアプローチ・コストアプローチ

マーケットアプローチ

市場価値 (相場) に着目する方法です。事業内容、規模等が譲渡企業に類似する上場会社を選定し、それらの上場企業の財務指標及び株価等から対象会社の株価を計算する類似会社法が代表的です。IPOを目指す企業や、比較しやすい同業の上場企業が存在する企業を評価する際に用いられます。

インカムアプローチ

会社の収益またはキャッシュフローに着目する方法です。DCF法が代表的で、将来得られるフリーキャッシュフローを現在価値に割り引くことで、収益資産の価値を評価します。成長企業を評価する際などに多く用いられます。

コストアプローチ

会社の保有している資産に着目する方法です。時価純資産法が用いられることが多く、会社が保有している資産の時価から負債を控除した額をもって企業価値とする方法です。成熟企業を評価する際に多く用いられます。中小企業のM&Aでは、時価純資産法が比較的わかりやすい方法で、会社の時価の純資産+α(営業利益の3~5年程度)で算出します。この方法だと、自社を売却する場合の価格イメージがつきやすいかと思います。

譲受候補企業との価格交渉

企業価値算定によって根拠ある売却価格を求めることも大切ですが、特に中小企業の会社譲渡においては、譲渡企業と譲受企業の双方が納得する価格であることが何よりも重要です。

いくら理論的に正しい価格であっても、双方の合意なくして会社の譲渡は実現しないためです。

売却価格の交渉は、コンサルタントを仲介役として、譲渡企業と譲受企業の双方が合意に至るまで続きます。 譲受を希望する企業が複数ある場合にはオークション(入札)形式をとることもありますが、多くの場合は条件に会う譲受候補企業を1社に絞り、相対で交渉を行います。

いずれの場合も、合意に至らなければ、また別の会社と交渉をはじめることもできますし、売却自体を見送るケースもあります。

交渉にあたっては、譲渡企業側と譲受企業側で価格イメージが大きく異なることも少なくありません

立場の違いから、同じ譲渡価格でも譲渡企業側は「思ったより価格が安い」、譲受企業側は「思ったより価格が高い」と思いがちです。

交渉の過程で、譲渡側の経営者様にとっては満足できる程度に高く、且つ譲受企業が投資に見合うと判断できる価格水準へ、双方が納得できるよう落とし込んでいくことが大切です。

希望する売却価格を実現するためには

譲受企業はコストを払って会社を買い取る以上、「そのコストに見合うリターンが見込めるか」ということを重視します。しかし、「何をもってリターンとするか」という点については、収益性、事業の将来性、顧客基盤など、譲受候補企業によって重視するポイントは様々です

まずは経営者様ご自身が 自社の強みと弱みを客観的に認識する こと、そして企業価値算定をベースとして、コンサルタントとともに適切な希望売却価格を設定することが重要です。

そのうえで、譲渡対象企業の魅力を理解し評価してくれる譲受企業を見つけることが、希望する売却価格を実現するための重要なポイントとなります。

会社譲渡(株式譲渡)の税金

会社譲渡(株式譲渡)を行うと、どのような税金がいくら発生するのでしょうか。譲渡企業の株主が個人の場合と法人の場合に分けて説明していきます。

株式譲渡の税務(譲渡企業側)

株式譲渡によって会社を譲渡した場合、株式の売却益に対して課税されます

 内容種別税率
個人株主株式の売却益は譲渡所得となり、申告分離課税により所得税が課税されます。
売却益(譲渡所得)=譲渡金額-(株式取得費用-譲渡経費)
税金は株式を売った権利者個人の所得に対してのみかかり、会社に対して税金はかかりません。
所得税
住民税
20%(※1)
法人株主 株式の売却益について、総合課税方式により他の法人所得と同様に法人税が課税されます。
売却益(譲渡所得)=譲渡金額-(株式取得費用-譲渡経費)
法人税等 約40%(※2)

※1内訳は、所得税15%、住民税5%となり、平成25年~平成49年は復興所得税が別途課されます。
※2 実効税率で課税されます。

第三者間で成立した価格であれば、基本的に譲渡価額が税務上問題となることはありません。ただし、譲渡価額が税務上の時価と大きく乖離している場合には、追加で税金が発生する場合があるため注意が必要です。

  譲渡価額が時価より大幅に低い場合 譲渡価額が時価より大幅に高い場合
個人株主 時価に基いて譲渡所得が計算される。 譲渡価額と時価の差額は一時所得として課税され、残りの売却益が申告分離課税の対象となる。
法人株主 譲渡価額と時価の差額が寄付金とみなされ、一部損金不算入となる可能性がある。 譲渡価額と時価の差額が受贈益として課税される。

会社譲渡(株式譲渡)の成功事例

当社でお手伝いした会社譲渡(株式譲渡)の成功事例の一部です。この他にも様々な規模、様々な業種において実績がございます。

後継者問題を抱えていた建設会社

70代の経営者様が、会社の譲渡によって後継者問題を解決し、セカンドライフを実現したケースです。経営悪化による事業再生を経て優良会社へと生まれ変わった後、同じ地域を基盤とする同業の会社へ会社を譲渡されました。ご子息へ会社を引き継ぐかどうか悩まれながらも最終的には第三者への会社の譲渡を選択し、充実したセカンドライフを迎えられた事例です。

M&A事例:事業再生から優良会社へ そしてM&Aによる事業承継

健康食品会社を譲渡しアーリーリタイアを実現

50代の経営者様が、会社の譲渡によって創業者利益を獲得し、アーリーリタイアを実現したケースです。 経営者様は当初からアーリーリタイアの実現を目標としておられ、譲受企業との交渉を経てご自身の育てた会社を納得のいく形で譲渡されました。 一度は交渉が不成立となるなど困難を乗り越えながらも会社の譲渡を実現し、ご自身の夢を叶えられた事例です。

M&A事例:50歳でアーリーリタイア 海外で新たな人生をスタート

会社の譲渡によってリフォーム会社の更なる成長を目指す

40代の経営者様が、会社の譲渡によって事業と経営の分離を実現し、更なる成長を目指す環境を手に入れたケースです。経営者様は経営規模の拡大を考えておられ、自身で経営を続けるよりも会社の譲渡によってより安定した経営体制へ移行することを選択されました。会社の譲渡によって経営から解放され、ご自身の元々の強みを発揮しながら企業の更なる成長を実現すべく邁進されています。

M&A事例:M&Aで更なる企業の成長を目指す

まとめ

会社譲渡(株式譲渡)は経営者様が抱える様々なお悩みの解決策となり得ます。

しかしながら譲渡の実現は相手があってのことなので、実際には全ての希望を叶えることは難しいケースも多く、譲受企業の選定や交渉にあたっては希望する内容に優先順位をつけることが重要です。優先順位を検討するにあたっては、経営者様のご意向はもちろんのこと、譲受企業の希望、経営環境、業界の動向など、様々な要素が影響します。状況によっては当初の優先順位を見直した方が良い局面もあり、そういった判断にあたって、経験と知見を有するコンサルタントと一緒になって最善の方法を検討することが重要になります。

当社では、会社の譲渡によって、経営者様により充実した次なるステージへと進んでいただきたいと考えております。その実現のため、コンサルタントが経営者様と本音で話し合い、ご心情に寄り添いながら意思決定をサポートして参ります。

もし検討や交渉の段階において、経営者様ご自身がリスクを許容することが難しいと判断された場合は、その時点で会社の譲渡に向けてのプロセスをストップすることもできます。当社では譲渡が成立するまで報酬はいただきませんので、交渉の段階で一旦お取りやめいただいても費用は発生いたしません

譲渡の成立ありきではなく、経営者様のご心情に寄り添いながら最適な方法を検討して参りますので、まずはお気軽に当社のコンサルタントまでご相談ください。

M&Aを真剣に考えられている経営者・オーナー様にM&Aネットワークスは本気で寄り添い、M&Aを実現させます

秘密厳守まずは無料相談 資料をダウンロードする