OUT-IN あうといん Out-in
OUT-INとは、外国企業(Out)によって国内企業(in)が合併や買収が行われること。「OUT-IN型M&A」ともいわれる。国をまたいで行われる「クロスボーダーM&A」の一種。
OUT-INに対し、国内の企業が国内の企業を買収することを「IN-IN」国内の企業が外国の企業を買収することを「IN-OUT」と言う。
日本における「OUT-IN」のケースは減少傾向にあり、その理由として、日本市場の閉鎖性、製品・サービスに対するユーザーの要求水準の高さ、ビジネスコストの高さ、規制・許認可の厳しさ、人材確保の難しさ等が挙げられる。
海外企業が日本に子会社を設立し、設立した子会社が対象企業と株式交換等を行うことにより、海外企業の傘下に収める、いわゆる三角合併によるM&Aが2007年5月より解禁となり、OUT-INによるM&Aの注目度は増している。
近年のOUT-INによるM&Aの例では、2016年世界最大電子機器製造受託メーカーである台湾の鴻海(ホンハイ)が日本企業のシャープを買収が挙げられる。元々は発注元であったシャープを、下請けであった鴻海が買収したという事実は、OUT-IN型M&Aの怖さを示した例といえる。
また、全体の傾向としては、経営不振に陥る国内企業を中国企業が買収するケースが増えてきている。
IN-OUTの場合、欧米の会社を対象とすることが多いが、OUT-INに関しては、中国の買い手が高額で買収を実施しているのが大きな特徴と言える。
M&A全体からすると、OUT-INの成約件数、金額は共に増えてはいないが、今後の大企業の動向や業績等よって、件数を増やしていく可能性は十分考えられるといえる。