簿外債務 ぼがいさいむ Off the book Liabilities
簿外債務とは、貸借対照表上に記載されていない債務のことをいう。
代表的なものとしてはデリバティブや保証に関わる偶発債務などがある。また、中小企業においては賞与引当金や退職給付引当金、貸倒引当金等が貸借対照表に計上されていないか、もしくは法人税法上の繰入限度額までしか計上されていないケースが多いが、これらが簿外債務にあたる。
M&Aにおいて、事業を買収する際に買い手企業としては、売り手側の簿外債務を引き継がないように注意する必要がある。
また、以前は、企業が保有する含み損を抱えた有価証券(株式・債券等)を一時的に他社に転売する「飛ばし」などの、意図的に債務を隠す粉飾決算とみなされる行為がみられたが、1991年に証券取引法が改正されて事実上禁止され、実際に行うことは難しくなっている。