中小企経営者の悩みの種である後継者問題。
実は、後継者候補がいるのにも関わらず、うまく引き継げない場合がある。
あまり知られていないが、その原因のひとつが「親と子の会話不足」である。
そもそも父親と息子は、母親と娘に比べてあまり会話がないのは仕方ないのかもしれない。
しかし、その会話不足のために、貴重な機会を失っている可能性がある。
経営者として、機会損失は絶対に避けたいのではないだろうか。
経営者の親は子に対して、以下のように考えてはいないだろうか。
・子が頼りないので話しても仕方がない
・話して余計なプレッシャーを与えたくない
・話すと鬱陶しがられるのではないか
・聞きたくなったら子の方から聞いてくるだろう
・家で仕事の話はしない主義
もしひとつでも心当たりがあれば要注意である。
子は親の事業の行く末について、本心では気になっているものだ。
しかし、親のほうから承継について話をしてこないので
何となく聞いてはいけないと思ってしまっている。
このちょっとしたすれ違いが事業承継の成否を分けてしまうのだ。
だから、積極的に子に事業承継の話をして欲しい。
話をした結果、
承継の意思があることを確認できるかもしれない。
逆に、明確に承継の意思がないことが確認できるかもしれない。
しかし、後者を早いうちに知ることは決して悪いことではない。
その後の対策を講じやすくなるからだ。
そもそも事業承継は時間をかけて行うものである。
だから、子に話す時期に早すぎることはない。
まずは、子の大学進学や就職のタイミングで、事業承継について話すことを目標にしてみてはどうだろうか。
もはや事業承継は経営の一部なのである。
事業計画に「子と承継について話す」というタスクを入れて欲しい。
そうして親と子の会話が増えることで、後継者問題に悩む会社が少しでも減っていくことを切に願う。