日本経済を支える中小企業が「消滅」の危機を迎えるかもしれない。経営者の中心年齢は2015年に66歳となり、この20年で19歳上がった。円滑な事業承継や若者の起業が進まなければ30年には80歳前後に達し、いまの男性の平均寿命とほぼ並ぶ。早く手を打たないと厳しい未来が現実になってしまう。
(2016/6/6付け 日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO03250650W6A600C1SHA000/
【コメント】
中小企業は日本の企業数の99%超、働く人の70%を占めている。
今後、中小企業が消滅することはないとしても、事業承継が円滑に進まないことで日本経済の土台が揺らぐことは想像に難くない。
記事には、中小企業を継ぐべき若い世代がリスクリターンを鑑みて二の足を踏んでいるとある。
確かにそういった理由もあるだろう。
しかし、筆者はそれだけが原因ではないと考える。
そもそも自分の子供に会社を継がせたくないと考える経営者が多くなってきているのではないか。
経営者としての苦労を痛いほど知っているので、大企業に勤める息子にわざわざ会社を継がせたくないという親心もあると聞く。
逆に、自分の子供が経営者として不適格だと考える経営者も少なくないだろう。
では従業員に承継するのはどうか。
それも現実的ではないだろう。
会社の株式を購入して経営者になるだけの潤沢な資金を持っているなら良いが、
そうでない場合は資金の問題がさまざまなトラブルになる可能性がある。
中小企業経営者が事業承継にM&Aを当たり前に選択する日は想像以上に近そうだ。