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M&Aトピックス米文具小売り大手2社、合併断念 連邦地裁仮差し止めで

米文具小売り大手のステープルズは10日、オフィス・デポとの合併を断念すると発表した。米国の独占禁止当局である米連邦取引委員会(FTC)が公正な競争を妨害するとして提訴し、連邦地裁が仮差し止め命令を出す判断をしたことを受けた。

 

成立すれば63億ドル(約6850億円)規模の買収になる予定だった。合併契約に基づき、ステープルズはオフィス・デポに2億5000万ドル(約270億円)の違約金を支払う。また、ステープルズは合併による独占禁止の指摘を避けるため、大口法人契約を5億5000万ドルで米文具卸大手のエッセンダントに売却する方針だったが、これも取りやめる。

 

2016/5/11 日本経済新聞 電子版

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ11H4T_R10C16A5000000/

 

【コメント】

記事によると、 ステープルズは1997年にもオフィス・デポの買収に動き、FTCが阻止した経緯があるとのことである。

米国では多くの業界で再編が進み、一段の寡占化は利用者の不利益になるとの当局の判断によって大型M&Aが頓挫するケースが相次いでいる。

なかには日本企業が関わった案件もあり、 ソフトバンクグループの米携帯電話子会社で当時業界3位のスプリントが4位TモバイルUSの買収を目指したが、米連邦通信委員会(FCC)が難色を示し続け、結局14年に断念した。また、米半導体製造大手アプライドマテリアルズは東京エレクトロンの買収で合意したが、米独禁当局に阻まれた。

市場の寡占化が利益最大化への近道であるとの大手企業の思惑に、当局は警戒感を強めている。

 

グローバル化や市場の成熟によって規模のメリットが拡大していることなどから、今後も世界規模で各業界の再編は続くといわれている。

厳しい競争環境にあって常に積極的な成長戦略を求められる大手企業にとって、競争相手を減らし業界を寡占化することで得られるメリットは少なくないように思われるが、本当にそうだろうか。

 

M&Aによって体力をつけた大手が業界を牽引することで、業界全体の技術力や質の向上へ繋がるケースがある一方、行き過ぎた寡占化は適正な市場機能を奪い、市場を硬直化させかねない側面もある。

当局による監視も行き過ぎれば弊害を生むのは同様だが、適正な市場機能の維持なくして企業による利益追求は難しく、昨今の業界再編にあっては当事者である企業自身も寡占化の副作用について中長期的な視点から検討を行うことも必要ではないだろうか。

 

M&Aの最大の目的は「企業価値の向上」であるが、市場環境や消費者利益を含めて「何をもって価値の向上といえるのか」は、企業規模に関わらず重要なテーマである。

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