LIXILグループが9日発表した2016年3月期の連結決算は、最終損益が186億円の赤字(前の期は220億円の黒字)だった。年金債務の見直しに伴って費用が増加したほか、中国子会社「ジョウユウ」の不正会計に関連した損失や不採算事業の減損損失が重荷となった。記者会見した筒井高志副社長は「ジョウユウの会計面での対応は終わった」と説明した。
2016年5月9日 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL09HFB_Z00C16A5000000/
【コメント】
LIXILが過去に買収した子会社が、粉飾決算(簿外債務)を行っており、多額の損失を計上した。
LIXILグループは、イタリアのペルマスティリーザ社やアメリカのアメリカン・スタンダード社などに対して買収を行うなど、積極的なM&A戦略によりグローバル化を推し進めてきている会社でも有名である。
今回はその経営をくじかれた格好になる。
海外案件の場合、現地国の社会環境、経済環境、商習慣、法規制等が日本と異なることが多々あるため、思わぬ所で抜け穴となり、フォレンジックが発生している可能性がある。
リスクはゼロにすることは、限られた短時間の中での対処を十分行っても限界がある。
フォレンジックリスクを考慮できなかったがために、企業ブランドの毀損、不正に対応するための多額の費用発生の可能性はある。
ただしながら、今後国外に発展、また業界再編によりM&Aは避けられないのも事実である。
その上で必要なのは、買収後の速やかなPMIによりグループとしての正しいコンプライアンスの浸透、そして発見を最速で行うことが重要である。
M&Aは対象会社を買収できたら終わりではない。
買収後は徹底したPMIにより、如何に迅速に対象会社を網羅的に把握できるかが重要であるだろう。
そうして初めて、M&A前に描いた美しいシナジーストーリーに載せるための経営資源を投入できるのである。
迅速なPMIこそ、M&Aの成功といえるだろう。
弊社では、お互いの最大の利益を発揮するための事前相談から、M&A後の統合業務(PMI)まで一貫してサービスを提供しております。
是非ご相談くださいませ。