銀行が中堅・中小企業への融資を拡大している。6月末の融資残高の増加率は約4年ぶりに大企業向けを超え、大手行は9月末も融資を伸ばした。事業承継や設備投資に伴う資金需要が強く、銀行側も利ざやが比較的厚い中小向け融資に力を入れる。中国経済の減速で国内景気は先行き不透明感が出始めており、今後は中小向けの融資環境が変わる可能性もある。
(2015年11月10日付 日本経済新聞)
■事業承継や設備投資に伴う資金需要
中小企業の約6割は後継者が不在だと言われている。そのような企業が経営を存続させる策としてM&Aを活用されるケースが増えている。経営の引継ぎ先は大企業に限らず、順調に業績を伸ばしているような中堅・中小企業も積極的である。
今後は、縮小していく国内需要を取り込むために、また新たな成長の種をまくために、引き続き事業承継ニーズを抱える企業のM&Aは積極的に行われていくことだろうと予測される。