米ゴールドマン・サックス・グループは、2014年に身売りした顧客企業への助言をめぐり訴えられている。合併・買収(M&A)に関する銀行の助言業務に対し、精査の目は厳しさを増している。
ゴールドマンは、企業向けソフトウエア会社ティブコソフトウェアが昨年身売りした際に助言業務を引き受けたが、買い手企業によるティブコ株の数え間違いに気づかなかったうえ、その後事実を隠蔽(いんぺい)したとの疑惑を持たれている。
(2015年12月8日付 The Wall Street Journal)
http://jp.wsj.com/articles/SB12063707009372514535404581403163704455884
【コメント】
真意のほどは定かではないが、M&Aの助言業務に携わる者として身の引き締まる記事である。M&Aは会社の重大な経営判断の一つであり、将来をも左右するものであるから、こうしたミスは誤って済まされるものではない。とはいえ、いくらプロであっても機械ではないので100%間違わないともいえない。M&A当事者にとって重要なことは、アドバイザーをつける場合、信頼できる先を選定することはもちろん、自身でもリスクマネジメントをすることではないだろうか。M&Aに手馴れた企業は釈迦に説法だとして、そうでない企業の場合は特に当事者意識を持つ必要があるかもしれない。もちろん、アドバイザーとしては細心の注意と責任を持って業務を遂行するのだが。