デットエクイティスワップとは、Debt(債務)とEquity(株式)をSwap(交換)すること。日本語で、債務の株式化を指す。DES(です)と略して表現されることもある。
貸し手側である金融機関にとっての、債権を元手にした出資を意味する。過剰な債務により経営不振に陥った企業を支援、再生を図る目的で行う、不良債権処理の一種であり、債務者の有利子負債を削減させ、企業再生を行うための一つの手段であると考えられている。
金融機関が保有する債権を現物出資し、株式、主に優先株に振り替えることによって、企業側の、返済義務のある債務が減少し、返済義務のない資本が増加することから、企業側にとってのデットエクイティスワップは、単なる債務削減の技術としてとらえるのではなく、企業のバランスシート(貸借対照表)を真に継続可能な状態に作り直し、資本比率の改善、ひいては経営革新を行うための一つのステップとして活用する視点が重要といえる。
また、金融機関側にとっては、確定的に債務を失うこととなる債権放棄よりも、債権はなくなるものの相手企業の株式を入手することで資産の減少を免れるという経済合理性が高い選択となる。また、もし企業再生が実現し保有株式が値上がりすれば、株式の売却益を手にすることで、貸倒れによる損失を回避できる可能性もある。
その半面、不良債権の表面化を避けて損失処理を先送りすることでもあるため、安易なデットエクイティスワップを抑制する意味で2006年5月の施行の新会社法においては、資産の価格である債権の時価に応じたデットエクイティスワップしか認めないこととされている。
なお、デットエクイティスワップには、債権を現物出資する「現物出資方式(現物出資法)」と金銭出資及び債務の返済を組み合わせる「新株払込方式(現金振替法)」の二つの手法がある。