アーニング・マルチプル・レシオ

アーニング・マルチプル・レシオとは、直訳すると「収益倍数比率」の意。

同じ業界でM&Aの取引事例が多数存在する場合、過去実施されたM&Aの取引価格(買収価格)と、買収された企業の税引き後の利益を検証化して比率化したもの。過去の取引事例から判断する、「業界の相場」ともいえる。

M&Aの検討にあたっては、買収対象企業とその企業価値の評価の算定には、様々な評価方法を用いる。アーニング・マルチプル・レシオもその一つで、特に「マーケットアプローチ」に属する評価方法である。

インカムアプローチ

インカムアプローチとは、企業買収における主な企業価値算定手法のひとつで、収益価値を基準とするアプローチのこと。
対象企業の将来の利益予想やキャッシュ・フロー予想に基づいて企業価値を算定する。M&Aの売却企業の企業価値算定の際によく用いられている。
代表的なものとして、「DCF法(割引キャッシュフロー法)」や「収益還元法」などがある。

収益の将来獲得能力や固有の性質を評価結果に反映させる点で理論的な方法ではあるが、事業計画などの将来的な情報について恣意性を完全に排除することは難しく、客観性が問題となる。

またインカムアプローチは会社の継続を前提とした企業価値評価である為、企業の継続性に疑義がある場合には慎重な適用が求められる。

企業価値算定手法には、インカムアプローチを含め、一般的に以下の3つのタイプがある。
■コストアプローチ:純資産価値を基準とするアプローチ
簿価純資産法、時価純資産法など
■マーケットアプローチ:類似業種や同規模企業との比較に観点を置いたアプローチ
類似会社法、市場株価法など
■インカムアプローチ:当該会社の収益性からアプローチす
DCF法(割引キャッシュフロー法)、収益還元法など

それぞれの方式にメリット・デメリットの両方がある為、実際のM&Aの現場では一つのやり方だけで企業価値を測ることはせず、各方式を組み合わせて算出することが多い。

営業権

営業権は、企業が有するノウハウや立地、顧客への知名度や品質、ブランドイメージなど、代替できない無形の価値を意味する。会社法施行後は「のれん(暖簾)」と呼ばれる。

のれんはその性質上、原則として資産計上されず、貸借対照表には顕在化しない。しかし、M&Aで会社を売却する場合には、例外的に営業権勘定を用いて資産計上をすることが可能となる。
のれんの価格は、売却企業の時価評価純資産と買収価額との差額がそれにあたる。例えば、1億5,000万円で企業が買収された場合、その売却企業の時価評価純資産が1億円であるなら、その差額の5,000万円がのれんの価格・のれん代となる。
M&Aにおいて、この「のれん代」の評価が譲渡価格を左右する重要な項目となり得る。

2006年度より、のれんの一括償却は原則禁止されており、のれんの取得後20年以内に規則的に償却し、各期の償却額は販売費及び一般管理費として計上する。

期待収益

期待収益とは、投資家が投下資本に対して運用から得られると期待する収益のことで、投下資本に期待収益率を乗じて求める。
企業の目的は利潤の最大化であり、投資案件(プロジェクト)の費用(コスト)が期待収益より小さければ、利益が得られとして、投資を行うことになる。

また、期待収益率とは、投資家がある資産について、将来にわたる運用から得られると期待できるリターンの平均値をいう。「期待リターン」、「要求収益率」とも呼ばれ、投資する資金に対して、どれくらいの収益が見込めるかを示したものとなる。
期待収益率は、M&Aにおいて、買い手が買収先を選ぶ目安となる一つの指標だが、これだけで正しい評価を導き出せるわけではない為、他の様々な評価方法とあわせて、多角的に比較・分析を行うことが重要となる。

コストアプローチ

コストアプローチとは、企業買収における主たる企業価値算定手法のひとつで、純資産価値を基準とした評価手法。

コストアプローチには、帳簿価額に基づいた「簿価純資産法」と時価を用いる「修正純資産法(時価純資産法)」がある。

■簿価純資産法は、「帳簿資産合計」を企業価値とするもの。
含み益や含み損が存在する場合は実態からかけ離れた価格となる可能性があり、一般的にはほとんど使用されない。
■時価純資産法では、時価資産合計から買掛金や支払手形などの営業債務を差し引いたものを企業価値とし、そこから有利子負債を差し引いたものを株式価値とする。

M&Aの世界では、企業の持つすべての資産と負債を時価で再度評価しなおすことになる。

特徴として、帳簿上のデータに基づくため客観性は期待できるが、一時点での純資産に基づく評価であることや、のれんなど無形資産が適正に計上されていない場合には、将来の収益能力の反映や市場での取引環境の反映は難しい。
したがって、評価対象において、こうした無形資産や知的財産等、貸借対照表に計上されない企業価値が源泉の大半である場合、超過収益力などの価値評価を反映させやすいインカムアプローチなどの評価手法を検討すべきと考えられる。
中小企業の企業価値の算定によく使われる簡便的な評価方法として 、コストアプローチを応用した「簿価純資産or時価純資産額+ 営業権」という方法で算定することがる。

企業価値算定手法には、一般的に以下の3つのタイプがあり、それぞれメリット、デメリットを有する。

■コストアプローチ(純資産価値を基準とするアプローチ)
簿価純資産法、時価純資産法など
■マーケットアプローチ(類似業種や同規模企業との比較に観点を置いたアプローチ)
類似会社法、市場株価法など
■インカムアプローチ(当該会社の収益性からアプローチ)
DCF法(割引キャッシュフロー法)、収益還元法など

サルベージ・レシオ

サルベージ・レシオとは、買収価格に比べて清算価値が何倍かを示した数値。

下記の様な計算式となる。
サルベージ・レシオ=(資産時価+ブランド価値ー有利子負債ーリストラ費用ー清算所得税)/株式時価総額

上記の通り、単純に資産の時価を見るだけでなく、「ブランド価値」というバランスシート上には出てこない無形資産も企業の価値として評価する。
また、借金がある場合には有利子負債として、リストラなどによる退職給付債務がある場合にはそれも控除して、本当に清算したらその企業にいくらの価値があるかを評価し、正味の解散価値(純資産)を算出する。

一般的に、サルベージ・レシオの高い企業は、資産の効率性を高める余地があるとみなされる。

時価純資産

時価純資産とは、貸借対照表にのっている簿価の総資産をすべて時価で評価し合計し、同じく時価評価した負債を差し引いたものが時価純資産価額となる。実態純資産ともいう。
中堅中小企業のM&Aにおいては、企業評価の一つの大きな目安とされることが多い。

時価純資産法は、この時価純資産額を基準として企業価値を算定する、企業評価法のコストアプローチの一つである。
コストアプローチによる企業価値の評価法には「簿価資産方式」もあるが、会社の固定資産や有価証券などに含み損・含み益がある場合には、簿価資産方式ではなく時価純資産方式を採用する。

企業価値算定手法には、一般的に以下の3つのタイプがあり、それぞれメリット、デメリットを有する。

  • コストアプローチ:純資産価値を基準とするアプローチ
    簿価純資産法、時価純資産法など
  • マーケットアプローチ(類似業種や同規模企業との比較に観点を置いたアプローチ)
    類似会社法、市場株価法など
  • インカムアプローチ(当該会社の収益性からアプローチ)
    DCF法(割引キャッシュフロー法)、収益還元法など

事業価値

事業価値とは、会社が生み出す将来のフリーキャッシュフローを割引いた現在価値のことで、事業そのものの価値を指す。英語でEnterprise Valueと表記され、その略語としてEVともいう。

計算方法には、DCF法などがある。
DCFはDiscount Cash Flowの略で、「割引キャッシュフロー法」もいわれる。
DCF法は、事業が生み出す期待キャッシュフロー全体を割引率で割り引いて企業価値を算出する方法である。

これに対し、現金や資金運用として保有している株や投資信託などの金融商品など、企業の事業活動とは関係のない資産から生み出される価値の合計を非事業価値という。

実査

実査とは、帳簿上記載のある資産の数量や金額と、実際の数量や金額とを確かめる手続きをいう。決算日を基準に、決算日後のなるべく早い時期に監査人が会社を訪問して実施する。監査人が必要だと判断した場合には予告なく突然実査が行われることもある。

監査人が資産の実在性を確かめるための作業で、株券や受取手形、現金、預金通帳などを、並べて一枚一枚数を数える。隠蔽などが行われぬよう、全資産を一度に実査することが推奨されている。

現金、預金通帳、証書、受取手形、株券などの有価証券、有形固定資産、ゴルフ会員権などの会員権、絵画、貴金属 などが対象となる。

「棚卸(たなおろし)」では、帳簿上の在庫と実際に残っている在庫が照合されるが、棚卸でチェックするのは在庫のみであり、それ以外の資産のチェックは実査で行われる。

シナジー効果

シナジー効果とは、M&Aや提携によって創出される相乗効果のことをいう。

異なる強みが結びつくことによる価値創造や経営資源の合理的配分によって、利益創出効果が期待できる。
企業が合併、買収、あるいは事業提携を検討する際、求められる目的として、シナジー効果を挙げることが多い。これは、シナジー効果により、企業価値の向上や企業の競争力の向上を図れると考えられているからである。

2006年3月にUSENの宇野康秀社長個人がライブドア株式1億3,374万株を94億9,554万円で買収した際にも「シナジー効果を出していきたい」と発言している。

純資産法

純資産法とは、企業価値算定手法のひとつである。
対象会社の貸借対照表に計上されている資産・負債の差額として算出される純資産額を基礎にして株式評価する方法をいう。

純資産法には、帳簿価額に基づいた簿価純資産法と、時価を用いる修正純資産法がある。

■簿価純資産法は、「帳簿資産合計」を企業価値とするもの。
含み益や含み損が存在する場合は実態からかけ離れた価格となる可能性があり、一般的にはほとんど使用されない。
■時価純資産法では、時価資産合計から買掛金や支払手形などの営業債務を差し引いたものを企業価値とし、そこから有利子負債を差し引いたものを株式価値とする。

M&Aの世界では、企業の持つすべての資産と負債を時価で再度評価しなおすことになる。

企業価値算定手法には、一般的に以下の3つのタイプがあり、それぞれメリット、デメリットを有する。

■コストアプローチ(純資産価値を基準とするアプローチ)
簿価純資産法、時価純資産法など
■マーケットアプローチ(類似業種や同規模企業との比較に観点を置いたアプローチ)
類似会社法、市場株価法など
■インカムアプローチ(当該会社の収益性からアプローチ)
DCF法(割引キャッシュフロー法)、収益還元法など

正常収益

正常収益とは、各企業が事業そのものとして生み出す実態の利益のことをいう。

毎年決算を行う際に算出される利益全体から、その事業と関係のない損益や非経常的に発生する損益を差し引くことで算出される。

この金額は、大企業と中小企業では計算が若干異なる。
大企業などでは固定資産の売却損益や災害損失といった特別損益や退職金などの雑収益を差し引けば済むことが多いが、中小企業において保険料や役員報酬などで決算上の損益を調整している場合にはこれらの影響も除く必要がある。

正常収益は、企業全体の課税対象額を決定する際に必要であり、正確にできていない場合には、追徴課税の対象となる可能性もある。

立会い

M&Aにおける「立会い」とは、監査手続の一つであり、会社が実施する実地棚卸の現場に監査人が同席し、その実施状況を視察、あるいは一部について実際に監査人自身がカウント(サンプリングという)することによって、在庫数量が帳簿記載の数量との間にズレがないかを確かめる手続である。

単なる視察や、会社のたな卸後の抜取り検査だけでは必ずしも立会いとはいえない。これは、監査人が、実際に現場で作業を行っている様子を間近で確認し、その会社の棚卸のやり方が信用できるかどうかを確認する行為こそが、監査人として重要な監査証拠を入手するための手続と位置付けられているからである。
このように立会いは、実地棚卸計画の評価、棚卸の視察、質問、抜取り検査など総合したものである必要がある。

超過収益

超過収益とは、投資家が投下資本に対して期待する「期待収益」を上回る収益のこと。正常収益から期待収益を差し引いて計算されるのが一般的である。

また、企業が経営を続けていく過程で蓄積した、独自の優位的取引関係や従業員の質など、現時点において測定不能な潜在的な企業価値を、超過収益力という。
M&Aにおいては、超過収益力を加味した企業価値の測定が行われ、その評価額が算定されることになる。

データルーム

データルームとは、M&Aを実施するにあたって行うデューデリジェンス(買い手が買収対象企業について詳細に行う調査)の際、契約書・財務諸表・経営資源などの資料を関係当事者に対して開示する必要があるため、それらの資料をひとつにまとめておく部屋のこと指す。

対象となる会社・企業の会議室をはじめ、秘密保持の観点から組織外の会議室を借りて行われることがある。

又、実際の会議室を借りる代わりに、ハイレベルなセキュリティ環境が整ったバーチャルデータルームがクラウド上に設けられ、デューデリジェンス(買収監査)を実施できるサービスがある。こちらは、バーチャルデータルームとよばれる。

デュー・デリジェンス

デュー・デリジェンスとは、M&Aを実施するにあたり、買収対象企業について、買い手が側がその企業自体や事業についての資料を分析および検討し、必要に応じて担当者からの聞き取りなどを行うことなどで、企業の実態を詳細に調査することをいう。日本語における「買収監査」と同意。

英語でDue Diligence と表記され、Due(適正な・公正な)、Diligence(注意を払って遂行する)の意。つまり「適正で万全の注意を払って遂行される審査」を意味する言葉で「適正評価手続」と訳されているが、「公正精密審査」または「適正詳細調査」ともいう。略語として DD と呼ばれることが多い。

事業・財務・法務・人事・システム・環境など対象会社の特性に応じて種々の詳細調査が実施され、多くは公認会計士や弁護士などの専門家チームを編成して行われる。

デュー・ディリジェンスの結果は、最終契約内容に反映され、そこまでの過程で発見した問題点に応じて価格を決め、また、表明保証対象とするなどの対応をする。
問題点の解決を見極めるための確認期間が両者の間で決められることもある。

課題やリスク要因の見極めの一方で、将来におけるビジネスチャンスや顕在化していないシナジーの可能性を見出す意味合いもある。

のれん

のれんとは、売却企業の時価評価純資産と買収価額との差額のことをいう。

以前は営業権と呼ばれたが、会社法施行後、「のれん(暖簾)」と呼ばれるようになった。

企業が有するノウハウや立地、顧客への知名度や品質、ブランドイメージなど、代替できない無形の価値を意味する。

のれんはその性質上、原則として資産計上されず、貸借対照表には顕在化しない。しかし、M&Aで会社を売却する場合には、例外的に営業権勘定を用いて資産計上をすることが可能となる。
のれんの価格は、売却企業の時価評価純資産と買収価額との差額がそれにあたる。例えば、1億5,000万円で企業が買収された場合、その売却企業の時価評価純資産が1億円であるなら、その差額の5,000万円がのれんの価格・のれん代となる。
M&Aにおいて、この「のれん代」の評価が譲渡価格を左右する重要な項目となり得る。

2006年度より、のれんの一括償却は原則禁止されており、のれんの取得後20年以内に規則的に償却し、各期の償却額は販売費及び一般管理費として計上する。

バーチャルデータルーム

バーチャルデータルームとは、M&Aのデューデリジェンス(買収監査)の際の情報共有のため、Web上での電子化された関連資料を開示する場所をいう。物理的なデータルームではない。
Virtual Data roomの頭文字をとって、VDRとも呼ばれる。

M&Aを行う際には、売手と買手側の交渉材料であり、経営の根幹に関わる機密性の高い情報をやりとりにすることになるため、関係当事者以外がアクセス出来ぬよう十分なセキュリティが確保されていることが重要となる。

近年は、知的財産や設計データの共有、社外取締役との資料の共有など、様々な用途での利用が進んでいる。

バリュエーション

バリュエーションとは、株式や投資の価値計算や事業の経済性評価のことで、M&Aにおいては企業価値評価を指す。

投資実施の判断や、複数案件から最良な案件を選択するために行うもので、主な手法として、以下の三種類の評価方法がある。

  • コストアプローチ(純資産価値を基準とするアプローチ)
    簿価純資産法、時価純資産法など
  • マーケットアプローチ(類似業種や同規模企業との比較に観点を置いたアプローチ)
    類似会社法、市場株価法など
  • インカムアプローチ(当該会社の収益性からアプローチ)
    DCF法(割引キャッシュフロー法)、収益還元法など

どの評価手法を用いるかは案件の背景や取引目的等により異なる。

フリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフローとは、企業本来の営業活動により獲得したキャッシュフローから、現事業維持のために投資にまわしたキャッシュフローを差し引いたものをいう。英語でFree Cash Flowと表記し、FCFと省略される。

FCFはその企業が本来の事業によって生み出すキャッシュフローであり、企業価値を定量的に評価する際の指標となる。

以下の計算式で簡便的に求めることができる。

FCF = 税引後営業利益(NOPAT) + 減価償却費 – 設備投資の増加額 – 運転資金の増加額

フリーキャッシュフローは経営者の経営判断により自由に使途を決めることが可能な資金であり、企業の戦略的事業展開の元手となる。

また、借入金を返済して財務的健全性を高める場合、その返済原資にもなる。
企業が外部の金融機関等に頼らず、事業活動を継続しいくためには、このフリーキャッシュフローを最大化するための企業努力が重要になる。

簿外債務

簿外債務とは、貸借対照表上に記載されていない債務のことをいう。

代表的なものとしてはデリバティブや保証に関わる偶発債務などがある。また、中小企業においては賞与引当金や退職給付引当金、貸倒引当金等が貸借対照表に計上されていないか、もしくは法人税法上の繰入限度額までしか計上されていないケースが多いが、これらが簿外債務にあたる。

M&Aにおいて、事業を買収する際に買い手企業としては、売り手側の簿外債務を引き継がないように注意する必要がある。

また、以前は、企業が保有する含み損を抱えた有価証券(株式・債券等)を一時的に他社に転売する「飛ばし」などの、意図的に債務を隠す粉飾決算とみなされる行為がみられたが、1991年に証券取引法が改正されて事実上禁止され、実際に行うことは難しくなっている。

ベンダーデューデリジェンス

ベンダーデューデリジェンスとは、売り手企業側があらかじめ行うデューデリジェンスのことをいう。

通常、M&Aにおいては買い手と売り手の双方が購入・売却の意志を示した後に、買い手企業がこれから売却しようとしている会社の価値やリスクなど精査を開始する。これを、デューデリジェンス(買収監査)とよぶ。

ベンダーデューデリジェンスは、売り手側が自ら監査法人などに依頼をして、M&Aにおいて必要となるであろう、通常事業面や財務面、税務面、法務面といった多角的な視点で重要な論点となりそうな箇所の調査を行うものである。

信頼できる監査法人などに依頼して作成されたベンダーデューデリジェンスは、買い手側に信頼感を与える材料となり、買い手側との交渉が始まってすぐに、情報を引き渡すことができることで、会社売却を効率的に行えることとなる。

マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、企業価値算定手法のひとつで、対象会社と類似する上場企業の財務状況や類似の買収事例などを参考に企業価値の評価を行う方法である。

マーケットアプローチは、市場株価法と類似会社比較法とに大別される。
市場株価法は、評価対象企業自体の株式の市場価格また過去の取引価格を基準に評価を行う方法であり、
類似会社比較法は、対象会社と規模や事業内容等が類似している上場会社を選定し、株価および財務指標から対象会社の株価を計算する方法のことを言う。

類似会社法の代表的な算定手法としては、「PBR法」「PER法」「EBITDA法」がある。

■PBR法
Price Book-value Ratioの略称で、株価純資産倍率を意味する。株価を一株あたりの純資産額で割ることで算出する。現在の株価が会社の純資産に対して何倍まで買われているのかを把握するための指標である。
■PER法
Price Earnings Ratioの略称で、株価利益倍率を意味する。株価を1株あたり当期純利益で割った値のこと。1株あたりの利益に対し、株価が何倍まで買われているかを表したもの。1株あたりの利益は、税引き後の利益を、発行済株式総数から自己株式数を減算した発行済株式数から割って算出する。
■EBITDA法
EBIT+Depreciation(減価償却) & Amotization(一括償却)の略で、EBIT+減価償却費のこと。利払前、税引前、償却前など減価償却前の利益を意味している。

客観性に優れる一方で、同類の上場企業を選定することが難しいケースや、対象会社固有の性質を反映させられないといったデメリットがある。

企業価値算定手法には、一般的に以下の3つのタイプがあり、それぞれメリット、デメリットを有する。

■コストアプローチ:純資産価値を基準とするアプローチ
簿価純資産法、時価純資産法など
■マーケットアプローチ(類似業種や同規模企業との比較に観点を置いたアプローチ)
類似会社法、市場株価法など
■インカムアプローチ(当該会社の収益性からアプローチ)
DCF法(割引キャッシュフロー法)、収益還元法など

マネージメントインタビュー

マネージメントインタビューとは、経営者に対して行うインタビューのこと。

M&Aにおいては、対象企業について詳細な調査をすることが必要で、デューデリジェンス (買収監査)が行われる。その際、決算書の数値などだけでは掴みきれない内容は多く、経営トップからのヒアリングが必要になる。

対象会社の将来的な展望、抱える課題、各種リスク要因など、全体的な事項についてヒアリングすることが多い。

会社売却におけるマネージメントインタビューはM&Aの話題の中でも特に注目されており、記事は、多くの人に読まれることとなっている。
売却会社側はマネージメントインタビューを受ける事で、会社の信頼獲得と重要性のアピールが可能となる。

類似会社法

類似会社法とは、企業価値算定手法の一つである。
対象会社と規模や事業内容等が類似している上場会社を選定し、株価および財務指標から対象会社の株価を計算する方法のことを言う。

類似会社法の代表的な算定手法としては、「PBR法」「PER法」「EBITDA法」がある。

■PBR法
Price Book-value Ratioの略称で、株価純資産倍率を意味する。株価を一株あたりの純資産額で割ることで算出する。現在の株価が会社の純資産に対して何倍まで買われているのかを把握するための指標である。
■PER法
Price Earnings Ratioの略称で、株価利益倍率を意味する。株価を1株あたり当期純利益で割った値のこと。1株あたりの利益に対し、株価が何倍まで買われているかを表したもの。1株あたりの利益は、税引き後の利益を、発行済株式総数から自己株式数を減算した発行済株式数から割って算出する。
■EBITDA法
EBIT+Depreciation(減価償却) & Amotization(一括償却)の略で、EBIT+減価償却費のこと。利払前、税引前、償却前など減価償却前の利益を意味している。

企業価値算定手法には、一般的に以下の3つのタイプがあり、それぞれメリット、デメリットを有する。

■コストアプローチ(純資産価値を基準とするアプローチ)
簿価純資産法、時価純資産法など
■マーケットアプローチ(類似業種や同規模企業との比較に観点を置いたアプローチ)
類似会社法、市場株価法など
■インカムアプローチ(当該会社の収益性からアプローチ)
DCF法(割引キャッシュフロー法)、収益還元法など

レバレッジ効果

レバレッジ効果とは、てこの原理になぞらえて、少ない投資で大きなリターンが期待できる効果のことをいう。

買収資金の大部分を銀行借入で調達する場合、自己資金では賄えない巨額の買収が可能となり、投資リターンが向上する効果がある。

しかし、レバレッジ効果は、利益率を高める一方、自己資本に対する損失の割合も大きくなる。対象会社の事業価値が期待通りに向上しなかった場合(総資本を利用した事業の利益率が他人資本の調達コストを下回った場合)は、むしろレバレッジ効果により、利益率の減少または損失の拡大を招くことになる。また、金利の変動などによっても、効果が左右される。

DCF法

DCF法とは、Discounted Cash Flow Methodの略称で、「割引現在価値法」などと訳される。企業評価の算出法のインカムアプローチ(当該会社の収益性を基準とする算出法)の一つである。

将来得られるフリーキャッシュフローを現在価値に割り引くことで、収益資産の価値を評価することから、「割引キャッシュフロー法」とも言われる。売り手からすると、長年培ってきた「のれん」や将来性をを踏まえた評価をしてもらえると言うメリットがある。

DCF法は、理論株価の計算、不動産価値の評価等にも使われる。
不動産価値の評価では、キャッシュフローを導き出すことが比較的容易なため、適切な評価法といえるが、企業評価を行う際は、将来のフリーキャッシュフローを予測するための事業計画や割引率の設定によって、結果が大きく異なるため、留意が必要となる。

EBITDA倍率

EV/EBITDA倍率とは、簡易買収倍率ともよばれ、企業の割安性を測る指標。
EV(企業価値)が、EBITDA(事業活動における現金収入)の何年分に相当するかを数値化したもの。純粋に何年で元がとれるかを見ることができ、株価を比較する際の尺度として用いられる。

EVは、Enterprise Valueの略で、その計算式はEV=株式時価総額+有利子負債-現預金となる。

EBITDAは、Earnings Before Interest,Taxes, Depreciation and Amortizationの略で、その計算式は
EBITDA=営業利益+減価償却費となる。

企業の買収に必要な時価総額と、買収後の純負債の返済に必要な金額を、EBITDAの何年分に相当するかを表すものであり、税率、会計制度の違いが排除されるため、株価を比較する際の尺度として用いられる。1980年代に米メディア企業が使い始めたのが起源とされている。

EPS

EPSとは、Earnings PER Shareの略称で、1株あたりの税引後当期純利益のことを指す。

当期純利益を発行済株式総数で割ることによって求めることができるため、新株を発行しない限りは、利益の上昇に伴いEPSも高い値になる。
よって、EPSの数値が高いほどその企業の収益力が高いと見ることができ、EPSの数値が低いときは企業の収益力も低いと判断することが多い。

計算式は下記の通りとなる。
EPS=当期純利益/発行済株式総数

当期純利益とは、すべての収益から法人税などを支払ったあとの純粋な企業の営業活動による利益をいう。

M&Aにおいては、株価やその他の評価がまったく同じ企業同士ということはまず無いため、EPSを株式交換比率の決定に用いる。
また、企業経営目標や基本方針にEPSの数値を組み込むこともある。

EV

EVとは、Enterprise Valueの略称で、企業価値と訳されている。
EV=株式時価総額(株価×自己株式を除く発行済株式数)+ネット・デット(純有利子負債)で定義される。
ネット・デットとは、有利子負債から、すぐにキャッシュに出来得るであろうものを差し引いた金額
有利子負債残高 −(現金・預金)− 短期性有価証券のこと。

EV/EBITDA倍率は、、簡易買収倍率ともよばれ、EVがEBITDA(利払い前税引き前償却前利益)の何倍かを測る。その企業を買収して何年で元が取れるかの指標として使われている。

IFRS

IFRSとは、International Financial Reporting Standardsの略称で、国際財務報告基準のことをいう。
ロンドンを拠点とする民間団体である国際会計基準審議会(IASB)が設定した会計基準で、EU域内上場企業は2005年に適用義務化された。
現在は110以上の国と地域で採用されてており、世界的な会計基準となっている。

日本では2010年3月期から任意適用が容認されている。
当初は上場企業に強制適用される予定だったが、日本の会計基準と相違点が多数存在する為、現状見送られている。

日本の会計基準との相違点の例として、以下のようなものが挙げられる。
■資産負債アプローチであること
■のれんを償却しないこと
■開発費を無形固定資産として計上する場合があること

PBR

PBRとは、Price Book Ratioの略称で「株価純資産倍率」を意味する。株価を1株あたりの純資産で割った値のことであり、PERと同様、株価の割安、割高の目安となる。PERが低いほど、株価が割安だと言える。

PBRが1より低い場合は、株式時価総額が簿価純資産額を下回る状態であり、理論上、PBRが1より低い会社が解散した場合は株主が儲かる計算となる。市場が「その企業を継続するよりも解散価値のほうが高い」と厳しい見方をしているといえる。
ただ、株価というのは、必ずしもあるべき価格で存在するわけではない。業績などと比べて割安で放置されている株を狙う投資を「割安株投資」と言う。

PBRが1より高い場合は、保有している資産負債以外の価値、すなわち「のれん」を市場が評価しているといえる。

M&Aにおいても、買い手も利用できる、重要指標の一つとして用いられる。

PER

PERとは、Price Earnings Ratioの略称で株価収益率あるいは株価利益倍率と訳される。

税引き後の利益を、その会社の発行済株式数(発行済株式総数-自己株式数)で割ると、1株当たりの利益が計算できる。これを、EPSという。

PERは、株価をEPSで割った数値、すなわち、1株当たり利益に対し、株価が何倍まで買われているかを表したのが株価収益であり、業界平均と比較することで、株価が割高か割安かを判断するための指標になる。時価総額を当期純利益で割ることによっても求めることが可能で、計算式は下記の通りとなる。

PER = 株価/EPS(1株あたり純利益)
= 時価総額/当期純利益

成長性が期待できそうな株式のPERは高く、逆の場合は低くなるのが、一般的である。

Qレシオ

Qレシオは、実質株価純資産倍率ともいう。
PBR(株価純資産倍率)が、株価を1株当たりの純資産で除して求めた倍率であるのに対し、Qレシオは株価を1株当たり実質純資産で割ったものである。実質純資産は、純資産に含み資産を加えたものである為、計算式は下記の様になる。

Qレシオ=株価÷1株あたり(純資産+含み資産)

Qレシオが1倍以下の場合、その株式は、市場において割安に評価されていると言える。

PBR(株価純資産倍率)で利用されている純資産は、貸借対照表に帳簿価格で表されているが、土地などの時価は購入時の簿価(帳簿価格)から乖離が大きい。

簿価ではなく時価で計算している点で、QレシオはPBRに比べて優れているが、企業がどれくらいの含み益を持っているかを正確に知ることは困難で、計算には推定値を使うため、指標として限界がある。

SWOT分析

SWOT分析とは、経営戦略や事業戦略を考えるうえで使用する、代表的なフレームワーク。企業や事業の戦略策定や、マーケティング戦略を導き出すために、組織や個人の強み・弱み、機会・脅威の4つのセクションに分けて分析する。

「STWO」とは、以下の4つの英語の頭文字を並べたものである。

Strengths(強み):対象会社の競争優位性
Weaknesses(弱み):対象会社の競争劣位性
Opportunities(機会):対象会社の所属業界&市場の積極的特質
Threats(脅威):対象会社の所属業界&市場にとっての脅威

強みをどう活かすか?弱みをどう克服するか?機会をどう利用するか?脅威をどう取り除くか、または脅威からどう身を守るか?
上記の論点を抽出して、仮設を立て戦略策定に供する。

M&Aでは、売り手と買い手が、弱みと強み、機会と脅威を補完できる組み合わせになれば、譲渡後のシナジー効果が得られやすいと考えられる。